ほくそ笑む

R言語と統計解析について

染色体についての長年の謎が解けた

この業界に入って丸2年が経ちました。早いものです。まったく違う分野からの参入なので、まだまだわからないことだらけです。日々勉強です。
この2年でバイオ系の本を数冊読みましたが、ちょっと疑問に思っていることがありました。それはこれです。
*1
これは教科書によく出てくる染色体の図なんですが、染色体は X の形をしています。ところが、
*2
こういう図もよく見るんですよね。
教科書によると DNA は長い一本の鎖のようなものなので、下の図のほうがイメージに合うのですが、「染色体」というと上の図がまっさきに出てきます。これは一体どういうことなんでしょう?
また、上の図(X型)で疑問になるのは、どこをどうとればこれが一本になるの?というところです。

ちょっと考えてみたこと

それで、自分なりに考えてみたんですが、染色体には、父親からもらうものと母親からもらうものの2個あるはずです。
染色体の X 型はこれら2つがくっついた姿じゃないのか?と考えました。
それで優性な方の遺伝子だけが発現するので、そこだけを取り出したものが下の図(I型)。
これはこれでいい推理じゃないかなと思っていました。
ただ、どう見ても上の図には X が2つでワンペアみたいになっているので、それが父親と母親からそれぞれもらったものと考えるほうが自然です。
というわけで、この疑問はすっきりとは解決せず、ずっともやもやしたまま過ごしていました。

バイオの人に聞いてみた

先日、バイオ系の人に質問するチャンスがあったので、この疑問をぶつけてみました*3
答えは
「これ(X型の染色体の図)は細胞分裂する途中なんですよ」
でした。
正直、それだけじゃわからなかったので、自分でもいろいろと調べてみました。

教科書や資料の中によく出てくるX字型をした染色体は、これからお話をする細胞分裂の中期になって明瞭になる構造であって、ふだんはあのような形をしているわけではない。

細胞分裂と細胞周期

おおーっ、ほんとうだ。
僕の中では「染色体はいつも X 字型をしている」と思っていたので、それが間違いだとわかりました。なるほどねー。
つまり、図で書くとこういうことです。

要するに X 字型の染色体は複製された直後の図であって、普段は I 字型をしていると。これで長年の謎が解けました*4

おわりに

この理解でいいのかどうか、バイオの人に質問しにいくと
「これはこれでいいんだけど、減数分裂というのがあってね・・・」
と難しい話をしだしたので、そそくさと退散しました。
バイオの世界はまだまだわからないことだらけ。日々勉強です。

*1:http://g86.dbcls.jp/~togoriv/chromosome/

*2:http://www.kanehisa.jp/documents/brochure/japanese/p28.html

*3:ほんと基本的なことですみません。。。

*4:といっても2年間ですけど(笑)